日本SGI、最大1.4PBのアーカイブストレージ「ArcFiniti」

1.4PBもの容量が可能なデータアーカイブシステム「SGI ArcFiniti」

消費電力を大幅に削減するとともにデータ完全性を確保し、単一のラックに1.4PB以上の有効ストレージを構成する。ディスクを採用することで、テープに比べてパフォーマンス、アクセス性、長期のデータ完全性に優れた高性能なネットワークアクセスを実現しているという。

 また、ハードウェアの健康状態やデータの完全性を能動的にモニターするソフトウェアを搭載。アーカイブされたデータを有効な状態、長年経過した後でもアクセス可能な状態を確保する。さらに、機械的な問題を探知すると、データを能動的に移動してデータ完全性を検証するとともに、欠陥部分を交換するようシステム管理者にアラートを出す。これにより、ディスク障害が起きた際にシステムをオフラインにし、費用のかさむRAIDの再構築を行なう必要が大幅に低減されるとしている。

 データ容量は、圧縮前の利用可能アーカイブ容量で、156TBから最大1.4TP。価格は156TB構成の「A156モデル」で、4300万円。出荷開始は5月25日となる。

Infostand:「クラウドは飛行機」? Amazonの大規模障害で見えた企業の対応

Amazonの子会社Amazon Web Services(AWS)のサービスに4月21日、障害が発生。これらのサービスを利用するQuoraやFoursquareなどのインターネットサービスが影響を受け、完全復旧までに4日を要するという大規模なトラブルとなった。メディアには「クラウドの死」「クラウドコンピューティングへの疑念」といった見出しが躍った。だが一方、企業のクラウドとのつきあい方にも変化が見えている。

■4日間の大規模障害

 今回の障害は、北バージニアのデータセンターで起きたもので、「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」「Amazon Relational Database Service(RDS)」のクラウドサービスがダウンし、Webアプリの作成・実装・運用の「AWS Elastic Beanstalk」のエラー率も上昇した。通常稼働に戻ったのは25日。まる4日間サービスの稼働率が落ちたことになる。

 Amazonはクラウド地域を分割しており、北バージニアのデータセンターは「US-EAST-1」と呼ばれている。EC2は障害対策として、地域内で独立したゾーン(Available Zone)を複数持つが、今回の障害では、複数のAvailable Zoneが同時にダウンした。原因についてAmazonは、ネットワーク障害が発生し、これが「US-EAST-1」の「Amazon Elastic Block Storages(EBS)」(外付けストレージサービス)のディスクボリュームの再ミラーリングを引き起こしたと説明している。ストレージ容量が不足となったりディスクボリュームの作成ができなくなったりするなど、さらなる障害につながったという。

 クラウドの障害は、過去にも何度か起きている。Amazonは2008年の「Amazon Simple Storage Service(S3)」の大規模障害を経験しているし、今年に入ってからは、Googleの「Gmail」の障害が報告された。

 今回、特徴的だったのは、EC2がIaaSであることから、クラウドを利用するインターネット企業がうけたサービスへの支障も大きく報じられたことだ。Quora、Foursquare、Reddit、Salesforce.comのHeroku、HootSuite、ESchedule など、主にベンチャー企業が中心である。彼らが提供するサービスやアプリが利用できなくなったり、機能を制限したりするなどの影響を受けた。クラウドが広く利用されていることの現れでともいえる。

■クラウドとどう付き合うか

 もう1つ特徴的だったのが、障害に対するユーザーやメディアの反応の変化だ。

 クラウド障害に際しての反応はこれまで、サービス事業者への非難や、クラウドコンピューティングへの疑問を投げかけるものが主だった。しかし、今回のAWSのサービス障害に対し、Amazonの対策不足を非難した声は少なかった。NetworkWorldのブロガーPaul McNamara氏が「Amazonは公式に謝罪していない」と非難したのと、透明性がないという指摘がいくつか出たぐらいだ。

 クラウドそのものについて、今後の方向性であることを否定する声は少ない。Wall Street Journalは「この障害によって、(クラウドに乗り気だった)企業は考え直し、クラウドベンダーから何を購入すべきかを学ぶだろう」という Capgeminiのコンサルタントのコメントを紹介しながら、「今回の汚点が、クラウド顧客のエンタープライズインフラへの全体の需要を損なうことは、まずないだろう」というGleacher&Coのアナリストの言葉を結論としている。そして、障害は「冗長性とバックアップの必要を強調するものだ」という教訓で締めくくっている。

 PC WorldのTony Bradley氏は、障害がクラウドのリスクを露呈したが、「リスクが高すぎるからクラウドにあるサーバーやストレージを利用しないほうが良いと考えるべきか? そうではない」と述べた上で、あわせて対策をとっておくことが必要と説く。

■対策により支障を回避したNetflix

 実際、多くの企業でサービスに支障が出た一方で、オンラインDVDレンタルのNetflix、SmugMugなどいくつかの企業は影響を回避した。Wired.comは、Netflixが2010年12月に掲示した「AWSを利用して得た5つの教訓」というブログ記事を紹介している。それによると、NetflixはAWSのプロセス上で独自のスクリプトを走らせてシステムの稼働を継続するという対策を講じているという。

 SmugMugのCEO、Don MacAskill氏はブログで、Available Zone内のインスタンス、インスタンスグループのどちらがダウンしてもシステムの運行に支障がないように設計と運用を工夫していることを明かした。「各コンポーネントが、できる限りシステム全体に影響を与えない形でダウンできるようにしている」とMacAskill氏は言う。今回の障害で自社のサービスに影響を受けたHootSuiteが、システムの状況をブログで必死にアップデートしているのとは対照的だ。

 今回の障害では、複数のAvailable Zoneが同時にダウンしてしまった。PC WorldのBradley氏は、対応策の1つとして、複数のクラウドベンダーと契約して自社で冗長性を確保することを挙げる。クラウドは完全ではないが、自社のデータセンターと同様に、障害に備えた計画・設計を持つ必要があるというのだ。

 「クラウドが死んだ日」というタイトルを付けたForbesのCIO Networkコラムも、クラウドと付き合うためのポイントを挙げる識者のブログを紹介しつつ、適切なプランニングと設計が重要だとしている。

 Rackspaceの戦略担当トップはNew York Timesに対し、クラウドを飛行機にたとえる。飛行機の事故は大きく報じられるが、事故率としては自動車の方が高いというものだ。つまり、クラウドは、自社ですべて運行するよりも安全だということになる。Wired.comは「本当の失敗はAWSの支障ではなく、ユーザー企業にある」と断言する。

 同じクラウドでも使う企業により差が出る、というのが今回の障害で明らかになったことだろう。飛行機のように安全だが、やはりリスクもあるクラウドとどうつきあうか。担当社の腕の見せ所でもある。

関連情報

■ URL

AWSのService Health Dashboard

http://status.aws.amazon.com/

NetworkWorldのPaul McNamara氏のブログ

http://www.networkworld.com/community/node/73249

Wall Street Journalの記事

http://online.wsj.com/article/BT-CO-20110425-710400.html

PC Worldの記事

http://www.pcworld.com/businesscenter/article/226199/amazon_ec2_outage_shows_risks_of_cloud.html

Wired.comの記事

http://www.wired.com/epicenter/2011/04/lessons-amazon-cloud-failure/

Netflixのブログ

http://techblog.netflix.com/2010/12/5-lessons-weve-learned-using-aws.html

SmugMugのブログ

http://don.blogs.smugmug.com/2011/04/24/how-smugmug-survived-the-amazonpocalypse/

Hootsuiteのブログ

http://blog.hootsuite.com/notes-on-todays-outage/

ForbesのCIO Networkの記事

http://blogs.forbes.com/ciocentral/2011/04/22/the-day-the-cloud-died/

New York Timesの記事

http://www.nytimes.com/2011/04/23/technology/23cloud.html?_r=1

■ 関連記事

(岡田陽子=Infostand)

2011/5/9 06:00

Googleからのアドバイス「高品質なサイト」とは? チェックリストを公開

 

検索アルゴリズム的に「高品質なサイト」って何だろう?Googleが、高品質サイトを判断するための参考になる「質問集」を公開。

http://www.sem-r.com/google-2010/20110507090302.html

米Googleは2011年5月6日、役に立たない低品質サイトの排除と同時に優れたコンテンツが検索上位に表示されるようにするためのアルゴリズム変更(パンダ・アップデート(Panda Update))に関連して、同社が考える「高品質サイト」について言及している。

検索マーケティング業界で話題になっているパンダ・アップデートとは、いわばアルゴリズムで自動的にサイト品質(site quality)を判断しようとするGoogleの取り組みだ。低品質サイトの検索順位を低下させることにより、検索利用者が優れたコンテンツを探し出せるようにする狙いがある。

「アルゴリズムで自動的にサイト品質を評価する」ことは実は難しい取り組みだが、Googleはこのアルゴリズムの開発にあたって、自分自身に次のような質問を投げかけているという。サイト品質を評価するアルゴリズムを書くにあたり、こうした観点からサイトの品質を示唆するシグナルを抽出しようとしていると考えてもよい。

ここでGoogle公式サイトに掲載されたその質問を紹介する。

  1. Would you trust the information presented in this article?
    記事で提示された情報を信用しますか?
  2. Is this article written by an expert or enthusiast who knows the topic well, or is it more shallow in nature?
    この記事は、その話題について詳しい専門家やファンによって書かれたものですか?たいした内容ですか?
  3. Does the site have duplicate, overlapping, or redundant articles on the same or similar topics with slightly different keyword variations?
    その文章は他のサイトと重複、繰り返しになっていませんか?少しキーワードの使い方を変えた類似サイトと似通っていませんか?
  4. Would you be comfortable giving your credit card information to this site?
    そのサイトにクレジットカード情報を快く渡せますか?
  5. Does this article have spelling, stylistic, or factual errors?
    その記事は文体やスペル、事実が間違ってますか?
  6. Are the topics driven by genuine interests of readers of the site, or does the site generate content by attempting to guess what might rank well in search engines?
    そのトピックは、サイト訪問者の純粋な興味に基づいて書かれた記事ですか?それとも検索エンジンで上位に表示することを目的としていますか?
  7. Does the article provide original content or information, original reporting, original research, or original analysis?
    その記事はオリジナルなコンテンツや情報、レポート、調査、分析を提供していますか?
  8. Does the page provide substantial value when compared to other pages in search results?
    そのページは検索結果中の他のページと比較して、価値を提供していますか?
  9. How much quality control is done on content?
    どの程度品質管理が行われていますか?
  10. Does the article describe both sides of a story?
    その記事は双方について記述していますか?
  11. Is the site a recognized authority on its topic?
    そのサイトは当該トピックにおいて権威あるサイトと認知されてますか?
  12. Is the content mass-produced by or outsourced to a large number of creators, or spread across a large network of sites, so that individual pages or sites don’t get as much attention or care?
    コンテンツは外部アウトソースによる大量生産または大きなサイトネットワークに配信していますか?そのためにここのページやサイトが十分にケアされていますか?
  13. Was the article edited well, or does it appear sloppy or hastily produced?
    そのサイトは十分に編集していますか?急いで、適当になってませんか?
  14. For a health related query, would you trust information from this site?
    (健康関連の検索クエリについて)そのサイトの情報を信用しますか?
  15. Would you recognize this site as an authoritative source when mentioned by name?
    その名前を聞いたとき、権威あるソースと判断しますか?
  16. Does this article provide a complete or comprehensive description of the topic?
    記事は当該トピックについて包括的な説明を提供していますか?
  17. Does this article contain insightful analysis or interesting information that is beyond obvious?
    その記事は洞察力ある、示唆にとんだ分析や興味深い情報を提供していますか?
  18. Is this the sort of page you’d want to bookmark, share with a friend, or recommend?
    そのページはブックマークしたり、友人とシェアしたりレコメンドしますか?
  19. Does this article have an excessive amount of ads that distract from or interfere with the main content?
    コンテンツを阻害するような、大量の広告が貼られていませんか?
  20. Would you expect to see this article in a printed magazine, encyclopedia or book?
    その記事が雑誌や百科事典や書籍にも掲載されるでしょうか?
  21. Are the articles short, unsubstantial, or otherwise lacking in helpful specifics?
    その記事は短い、本質的ではないですか?
  22. Are the pages produced with great care and attention to detail vs. less attention to detail?
    そのページは十分に詳細まで注意深く書かれてますか?
  23. Would users complain when they see pages from this site?
    訪問者がそのページを見て不満を言いませんか?

* 5分程度でざっと作成したため、誤訳が含まれている可能性があります。ご容赦ください 後ほど順次、訂正していきます

パンダ・アップデートなど、一連の低品質コンテンツ排除に関心があるウェブマスターは、上記の質問を自分に投げかけて、客観的に「良いサイト」だと判断してもらえるようなサイトをどう構築・運営していくかを考えてみるといいだろう。

Googleからも最後に、パンダ・アップデートの影響を受けたウェブマスターに対するアドバイスが掲載されている。

第1に、これはGoogleが当該公式ブログの中で再三繰り返しているが「個々のアルゴリズムを追跡・最適化していくのではなく、どのように高品質なコンテンツを提供するかに注力せよ」ということ。Googleは日々継続的に検索アルゴリズムの変更・改良を行っているが、その目的はすべて「ユーザが検索意図に適した、優れたコンテンツを探し出すことを支援する」ことにあり、つまり、客観的に「優れたサイトである」と判断されるようなサイトを構築していけば、些細な検索アルゴリズムの変更など気にする必要はないということだ(Googleが評価したいオーソリティサイト(Authority site)とはも参考に)。

第2に、これは巨大サイトを運営するウェブマスターは注意した方がいい点であるが、サイトの一部に低品質コンテンツが紛れていると、サイト全体の検索順位が低下する場合があるということだ。したがって、低品質コンテンツを除外するか、あるいは個々のページを統合して役立つページに変えるか、低品質コンテンツは別ドメインに移行させるなどの対処をすることで、検索ランキングを改善できると説明している。

More guidance on building high-quality sites
http://googlewebmastercentral.blogspot.com/2011/05/more-guidance-on-building-high-quality.html

#
私自身は何年にも渡って講演や書籍、その他諸々の機会で述べてきたことなので、とても当たり前の話としか感じません。しかしながら、少なくとも日本国内のSEOに携わっている方の中には、上記の基本的な考え方を理解できていない人がいるというのは日々感じています。

検索エンジンの目的は、ユーザが瞬時に関連性の高い情報を探し出せることを支援する点にあります。つまり、検索エンジンのアルゴリズムというのは基本的に「人が見ていいと思うサイトを、アルゴリズム的に抽出できるようにしたい」という点で何十年も変わっていないのですから、その本質を理解した上で対処すれば、細かなアルゴリズムの話は、それまでの理論や常識を覆す、斬新なものでない限り、あまり気にする必要はない、どうでもいいということが理解できるようになると思います。これは長年この業界を見てきた私の個人的な意見ですが、Googleアルゴリズムが変動した、その変動の内容だけであれこれアルゴリズムを推察するのは、はっきりいって時間の無駄です。

こうした話を概念的という人もいますが、SEOは基本的に概念的なものです。簡単な方法で順位を上げられる方法がある、そういうアプローチで考えることが根本的に間違っていることを理解すべきです。いまこのサイトを訪問されている方の中には、きっと「3日で1000万円儲かるマル秘テクニック」という情報商材にひっかかる人はいないでしょう。SEOにもそういうお話はないのです。いえ、厳密にいえば「ある」かも知れませんが、それはウェブスパムの領域です。

本サイトは検索マーケティング系としては、あまりアルゴリズムの詳細に突っ込んだ記事は自主的に掲載しないようにしていますが、それはGoogleが述べているような、SEOの本質を理解してほしいという願いもあります。

長時間駆動UPS

「チェンバットKING」はリサイクルUPS利用で低価格

夏の計画停電対策に!KSGが3時間対応のUPS

2011年04月12日 13時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

 4月7日、国際産業技術(KSG)は、400VA280Wで280分の電力供給が可能なUPS「チェンバットKING」の販売を開始した。

「チェンバットKING」は、KSGが秋葉原で展開するショップ「コンピューターのおっと」の直販サイトでも販売する

 通常のUPSの目的は、停電時のシステムシャットダウンまでの限られた時間、電力を供給することだ。一方チェンバットKINGは、停電時にシステムを稼働させ続ける代替電源としての利用が目的だ。最大供給時間は、

  • 400VA280W 280分
  • 450VA315W 240分
  • 900VA630W 135分

で、450VA315Wであれば東日本大震災の影響で始まった計画停電の3時間(180時間)も乗り切れる計算だ。

 なお、こうした大容量バッテリー搭載のUPSは、一般的には非常に高価となる。しかし、本製品ではリフレッシュUPSを利用する事で、都内での設置費用3万円と2年間の保証期間が付いて、15万円という低価格を実現している。

 導入の流れは、以下の通りとなる

  1. 現場下見調査
  2. 設置作業
  3. 設置後の点検、データ収集(翌日または翌々日)
  4. 初回計画停電時の立会
  5. 初回計画停電後の稼働チェック

停電実施時に容量不足に陥る場合は、稼働状況から判断して、最善の方法にて電力延命措置を行なうという。

■関連サイト

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15年前のDTPデータもiPad電子書籍化可能、「QuarkXPress」最新版を4月発売

  Internet Wach  2011/2/23 15:00  記事

米Quarkは23日、DTP用ページレイアウトソフトの新バージョン「QuarkXPress 9」を発表した。4月に出荷予定で、新規購入価格は9万7650円、バージョン8/6からのアップグレードは3万2550円。推奨システムは、Mac OS X 10.5.8/10.6.4以降、Windows 7/Vista/XP(SP2以降)。

 新バージョンの特徴は、デジタルパブリッシングへのアプローチだという。誌面レイアウトから電子書籍への書き出しまで、QuarkXPress上から行なえるようにした。

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「QuarkXPress 9」のスプラッシュ画面                  「QuarkXPress 9」のパッケージ

 まずiPad向け電子書籍については、オンラインサービスである「App Studio for QuarkXPress」で対応する。App Studioでは、iPad向けコンテンツを作成するための専用のデザイン環境をQuarkXPress 9上で提供。紙の誌面のような静的なレイアウトだけでなく、動画や音声を埋め込んだり、スライドショーやスクロール領域、ポップアップウィンドウ、ハイパーリンクなども設定でき、これをiPadアプリとして書き出してApp Storeで配布可能だ。

 なお、App Studioはすでに1月、大企業・中堅企業向けのコンテンツ制作・管理ソリューション「Quark Publishing System(QPS)」のモジュールとして、米国での提供開始が発表されていた。同様の機能がQuarkXPressからも利用可能になるかたちだ。 QuarkXPress 9の出荷から90日以内に、同製品のユーザーに提供開始する予定だ。

 このほか、WindowsやiOS、Androidなどに対応する無料電子書籍リーダー「Blio eReader」向けにも出力できる。Quarkによれば、Blio eReaderに直接対応しているページレイアウトソフトはQuarkXPress 9だけだという。

 QuarkXPressで制作したレイアウトを、EPUBで簡単に出力できる機能も備える。EPUBのリフローベースの出力に対応するリフロービュー機能も新たに搭載した。

クォークジャパン株式会社の日本・韓国地区統括兼代表取締役社長である
山下進一氏によると、約2年ごとに行われているQuarkXPressのメジャーバージョンアップでは、旧バージョンで制作したファイルを新バージョンでも開けるよう上位互換を保つのが同社のポリシーだという。今回の電子書籍関連の機能により、出版社が過去にQuarkXPressで制作したDTPデータ資産を電子書籍として活用できるとアピールした。

 製品発表に先立ち報道関係者向けに行われた事前説明会では、インプレスがその昔、QuarkXPress 3.1で制作したという出版物のDTPデータを借り、これをQuarkXPress 9で開いて電子書籍として出力するデモも行われた。同バージョンがリリースされたのは1990年代のこと。QuarkXPressはかつて日本のDTPソフト市場を席巻するシェアも持っていた時代があり、出版社にはQuarkXPressによるDTPデータが多く残っている可能性もある。権利処理という大きなハードルはあるため、あくまでも技術的にではあるが、過去の資産を電子書籍に生かせる環境が提供されることになるとしている。

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条件付きスタイル                                                       コールアウト(吹き出し)

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イメージグリッド                                                                   シェイプメーカー

 QuarkXPress 9ではこのほか、テキストのパターンに応じて自動的にスタイルを適用できる「条件付きスタイル」、Microsoft Wordの取り込み・書き出しと互換性があり、アウトラインの書式設定が簡単に行える「箇条書きおよび番号付きリスト」、指定した文字などを基点にして、本文枠の外のアンカーボックスを自動的に配置する「コールアウト(吹き出し)」、キャプションを含む画像のグリッドを自動的に作成できる「イメージグリッド」、とキャプション波形や多角形、星、渦巻きなどの形状を作成・編集できるウィザード「シェイプメーカー」など、レイアウトの新機能を追加した。

 また、レイアウト内のテキストを抜き出して表示できるワープロライクなウィンドウ「ストーリーエディタ」も新たに搭載した。レイアウト上では文字が小さかったり、複数のページにまたがっているような場合でも、テキストに集中できるとしている。レイアウト上のフォーマットに影響を与えずにテキストを編集できるため、QuarkXPress上で直接原稿を書くような場合にも役立ちそうだ。

 このほか、表の取り込みでExcelの最新形式である「.xlsx」に対応するなど、多数の機能強化も図っている。

Fedora 14 インストール完全ガイド


Fedora 14     開発元:Fedora Project

URL:http://fedoraproject.org/

対応機種:x86、x86_64

 Fedoraは、Fedora Projectが提供するLinuxディストリビューションです。さまざまな先進機能をいち早く実装することを重視して開発されているLinuxディストリビューションです。また、Fedoraでテストされた機能については、Red Hat Enterprise Linuxに採用されます。

 本インストールガイドでは、2010年11月12日にリリースした「Fedora 14」のDVD版を利用したインストール方法を紹介します。

注意事項

 Fedoraをインストールする際には、以下の注意事項を確認の上、慎重に行ってください。

(1) Windowsとの共存

 Windowsが既にインストールされたパソコンにLinuxを追加インストールする際には注意が必要です。同一ハードディスクにWindowと Linuxを共存させ、起動時に選択する「デュアルブート」の設定も可能ですが、もし手順を誤るとハードディスク内のWindows領域を消去してしまう可能性があります。Linux専用のパソコンやハードディスクを用意して、そこにインストールするのが理想です。この際、ブートローダをそれぞれのハードディスクのMBRにインストールし、BIOSの起動メディアのメニューから起動することをおすすめします。また、ブートローダの設定を誤ると既存のOSが起動しなくなるなどの問題が発生する可能性ありますので注意してインストールを行ってください。

(2) マルチブート構成にする際の注意点

 マルチブート構成にする場合は、あらかじめWindowsの起動ディスクを作成しておくことをお勧めします。Linuxのインストールが正常に終了しなかったときにWindowsを起動するには、この起動ディスクが必要な場合があるためです。Linuxを削除してWindowsだけが起動するように戻すときには、ハードディスクの先頭領域にあるMBR(マスターブートレコード)に、Windowsを起動するプログラムを書き込む必要があります。それには、Windowsの起動ディスクを使って起動し、コマンドプロンプトで「fdisk /mbr」を実行します。Windows XP/2000/Vista/7の場合は、Windows回復コンソールを利用します。回復コンソールが起動したら、Windows 2000/XPの場合は「fixmbr」、Windows Vista/7の場合は「bootrec /FixMbr」、「bootrec /RebuildBcd」の順に入力します。

(3) ハードウェアの動作について

 使用するパソコンによっては、Linuxをインストールしただけでは利用できないデバイスがあります。デバイスのベンダーがLinux対応ドライバを公開しているかどうか、ベンダーのWebページをチェックしてください。

(4) ディスク容量について

 Fedoraには多数のパッケージが用意されています。インストールの手順13で「最小限」を選択する事で総容量を700Mバイト程度にできます。また、最小限以外を選んだ場合でも、「今すぐカスタマイズする」でインストールするパッケージを独自に選択し直すことで容量を減らせます。

免責事項

 インストールによって動作しなくなった、データが消えてしまったなどのトラブルが発生しても、弊社および著者、ディストリビュータは一切の責任を負いません。また、インストールに関する質問についても承けかねます。自己の責任においてインストールを行ってください。

1. インストーラの起動

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 Fedora 14のDVDメディアからパソコンを起動します。

 すると、ブート画面が表示されます。「Install a new system or upgrade an existing system」を選んで[Enter]キーを押します。また、正常に動作しない場合は、「Install system with basic video driver」を選択してみます。

2. メディアテストの選択

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 インストールメディアが正常であるかをテストするかを尋ねられます。テストを行いたい場合は、「OK」を選択します。

 また、メディアのテストを省略したい場合は「Skip」を選択します。テストを省略した場合は手順4「GUIインストーラの起動」に進んでください。

3. メディアのテスト

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 手順2で「OK」を選択した場合、メディアのテストを行います。「Test」を選択します。すると、メディアの状態の確認作業に入ります。終了するまで数分から数十分かかります。

 メディアが正常である場合は「Success」と表示されます。「OK」を選択します。次にメディアが排出されるので再度インストールメディアをセットして「Continue」を選択してインストールを続けます。

 もし、メディアに異常が見つかると「Error」と表示されます。この場合は、一度インストール作業を中断し、再度メディアを作成し直してください。もし、メディアを作成しなおしても異常が見つかった場合は、ダウンロード中に壊れてしまった可能性もあるので、イメージをダウンロードしなおしてみてください。

4. GUIインストーラの起動

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 GUIのインストーラが起動します。「Next」ボタンをクリックします。

5. 言語の選択

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 インストール作業中に使用する言語を選択します。日本語の場合には「Japanese(Japanese)」を選択します。選択したら、「Next」をクリックします。

6. キーボードの設定

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 キーボードの種類を設定します。106日本語キーボード(または109日本語キーボード)を使っている場合は、「日本語」を選択します。

7. ストレージの種類の選択

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 インストール先のストレージの種類を選択します。パソコンに搭載されているHDDやSSD、USB接続のHDDといった一般的に利用されているストレージにインストールする場合は「基本ストレージデバイス」を選択します。通常はこちらを選択します。

 SANやiSCSIなどといった特殊なストレージにインストールしたい場合は「特殊化したストレージデバイス」を選択します。

8. アップグレードの検証

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 ハードディスク内に前バージョンのFedora CoreまたはFedoraがインストールされていることを検出すると、「既存インストールのアップグレード」と、新規にインストールを行う「新規インストール 」を選択できます。

 「既存インストールのアップグレード」を選択すると、既にインストールされているFedora CoreやFedoraをFedora 14にアップグレードします。「新規インストール」では、既にインストールされているFedora CoreやFedoraを削除して新たにFedora 14をインストールします。

 ここでは「新規インストール」を選んだ例で説明します。

9. ホスト名の設定

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 次いで、このコンピュータのホスト名を設定します。通常は、ホスト名およびドメイン名を「.」でつないで記入します。ホスト名は任意の名前を設定できます。ドメイン名は、ドメインを既に持っている場合は取得しているドメイン名を設定します。もし、特定のドメインを取得していない場合や個人的に利用するパソコンであるのならば任意のドメイン名で構いません。思い当たらない場合は「localdomain」や「mydomain」などを設定しておきます。

 例えば、ホスト名を「fedora14」、ドメイン名を「localdomain」とする場合は「fedora14.localdomain」と入力します。

 また、特にホストを公開するなどしない場合は、ドメイン名を省略しても構いません。

 インストール中にネットワークを介してアップグレードも同時に行う場合は、「ネットワークの設定」をクリックして、インターネットに接続可能なネットワーク機器の設定を行います。無線LAN接続を行う場合は、ESSIDの選択や暗号化鍵の設定などもおこなっておきます。

10. タイムゾーンの選択

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 タイムゾーンを設定します。地図上の東京の位置をクリック、あるいは画面下の項目の中から直接「アジア/東京」を選択します。

 もし、パソコンのシステム時計を国際標準時(日本時間より9時間遅れた時間)にセットしたい場合は「システムクロックでUTCを使用」にチェックします。国際標準時を選択した場合、システムの時間は国際標準時となりますが、表示時刻は時差を自動的に計算するため、日本時間が利用されます。

 ただし、Windowsなど他のOSと併用する場合は、時計がずれる可能性があります。この場合はチェックをしないようにします。

11. 管理者のパスワード

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 次に管理者のパスワード(6文字以上)を設定します。設定したパスワードを忘れないようにしてください。アルファベットについては、大文字と小文字が区別されるので注意が必要です。パスワードは確認のために2ヶ所に入力します。

12. ディスクパーティションの設定

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 ここでは、Fedoraをインストールするパーティションの選択と、パーティションレイアウト(各パーティションの役割と容量などの構成)などを決めます。

 「すべての領域を使用する」を選択すると、そのハードディスク上のすべてのパーティションを削除します。Windowsが導入されていた場合、消えてしまいますので注意してください。WindowsとLinuxとでハードディスクを共用(マルチブート)するときは選択しないようにします。

 「既存のLinuxシステムを入れ替える」を選択するとハードディスク内に既に導入されたLinuxパーティションを削除し、新たにFedora用にパーティションを作成します。

 「現在のシステムを縮小する」を選択すると、既にあるパーティションのサイズを変更して、Fedoraをインストールする領域を作成できます。

 「空き領域を使用する」を選択するとパーティションに割り当てられていない空き領域にFedora用のパーティションを作成します。パーティションに割り当てられていないハードディスクの領域が無い場合は、これは実行できません。

 「カスタムレイアウトを作成する」を選択すると、パーティションツールが起動して、ユーザー自身がパーティションの作成や設定等を行います。既存のデータなどを破壊する恐れもあるので、パーティション操作になれていない場合は、他の方法を選択するようにしましょう。

 「システムを暗号化する」にチェックすると、ファイルシステムが暗号化されます。もし、パソコンが盗まれてしまった場合でも、ファイルシステムの内容を見られる危険性を少なくできます。

 「パーティションのレイアウトをレビューまたは修正」にチェックすると、インストール後のパーティションの状況を確認できます。また、パーティションの編集を行うこともできます。

 「次」ボタンをクリックします。複数のハードディスクが搭載されている場合は、インストール前となるハードディスクを指定します。インストール対象とするハードディスクは、左の一覧で選択して「→」ボタンをクリックして右の一覧に移動します。右の一覧のハードディスクがFedoraのインストール対象となります。

 「現在のシステムを縮小する」を選択した場合は、縮小するパーティションのサイズを尋ねられます。Windowsなどをインストールしてある場合は、システム影響がない範囲でWindowsで利用するパーティションのサイズを指定します。

 「システムを暗号化する」にチェックすると、複合化するためのパスフレーズを尋ねられます。このパスフレーズはFedoraの起動時に必要となるので忘れないようにします。

 全ての設定が完了すると、パーティション構成を変更してよいか尋ねられます。もし、よければ「変更をディスクに書き込む」をクリックします。

13. インストールパッケージの選択

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 導入するパッケージグループを選択します。

 「デスクトップ」を選択するとグラフィカル環境のGNOMEなどが、「ソフトウェア開発」を選択するとコンパイラ「gcc」などの開発ツールが、「Webサーバー」を選択するとApache HTTP Serverなどがインストールされます。また、「最小限」を選択すると、Fedoraを動作させるための最小限のパッケージのみがインストールされます。

 「ソフトウェアのインストールに必要な追加リポジトリーを選択してください。」ではインストール時に利用するリポジトリを選択できます。通常は「Installation Repo」のみをチェックするだけで構いません。

 さらに細かくパッケージを選択したい場合は「今すぐカスタマイズする」を選択して「次」をクリックします。すると各パッケージグループの選択が行えます。グループ上で右クリックして表示された画面で、そのグループのすべてのパッケージをインストールするように選択できます。

14. パッケージのインストール

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 ファイルのコピーが始まります。パソコンの性能やインストールするファイルの数によって異なりますが、終了までに数十分から数時間かかります。

 コピーが完了したら、「再起動」ボタンをクリックします。メディアが排出されるのでインストールメディアを取り出します。

15. 再起動とインストール後の設定

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 パソコンが再起動します。「Booting Fedora」と画面に表示されている間にスペースキーなどを押すと、起動するOSの選択画面が表示されます。Windowsなどの他のOSとマルチブート構成にした場合は、ここからFedora以外のOSを選択して起動できます。

 Fedoraの起動が開始されます。もし、手順12で「システムを暗号化する」にチェックしてファイルシステムを暗号化している場合は、パスフレーズを尋ねられます。手順12で設定したパスフレーズを入力します。もし、分からなくなった場合、暗号が解除できなくなりFedoraの起動も行えなくなってしまいます。

 次に「ようこそ」という画面が表示されます。ここから初期設定の作業を行います。この設定は、インストール後の初回起動時のみ行います。「進む」をクリックします。

16. ライセンス情報

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 Fedoraのライセンス情報が表示されます。「進む」をクリックします。

17. 一般ユーザーの作成

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 一般ユーザーを登録します。ユーザー名とパスワード、フルネームを入力します。フルネームについては省略可能です。通常はここで設定したユーザーでログインを行います。

 また、後述するGUIでのログイン画面では、手順11で設定した管理者でのログインは行えません。

18. 日付と時刻の設定

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 日付と時刻を設定します。カレンダから現在の日時、右の時刻で現在の時刻を設定します。

 また、「ネットワーク上で日付と時刻を同期します」にチェックすると、時刻情報を発信しているNTPサーバーから正確な時間を取得して自動設定するようになります。また、この項目にチェックすると利用するNTPサーバーを選択および登録できます。通常はそのままで構いません。

19. ハードウェアの情報

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 パソコンのハードウエア構成をFedoraプロジェクトに送信するか否かを聞かれます。この情報はFedoraを開発するときの参考にされます。送信するかどうかはユーザーの自由です。

 送信する場合は「プロフィールを送信する」、送信しない場合は「プロフィールを送信しない」を選択して「終了」をクリックします。

 送信を行わない場合は確認メッセージが表示されます。「いいえ、送信しません」ボタンをクリックして先に進みます。

20. 設定の完了とログイン画面

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 これで設定完了です。ログイン画面が表示されます。一覧からログインするユーザー名をクリックして、パスワードを入力するとログインできます。

(ライター 福田 和宏) [2010/11/12]

PhotoFast「GM-PowerDrive-LSI PCIe SSD」 読込1400MB/s、書込1500MB/s

http://ascii.jp/elem/000/000/569/569658/

転送速度が最大読込1400MB/s、最大書込1500MB/sというPhotoFast製のモンスターSSD「GM-PowerDrive-LSI PCIe SSD」のサンプル版が、ドスパラ秋葉原本店に入荷。明日13日から動作デモを実施する予定だ。

「GM-PowerDrive-LSI PCIe SSD」

転送速度が最大読込1400MB/s、最大書込1500MB/sというPhotoFast製のモンスターSSD「GM-PowerDrive-LSI PCIe SSD」のサンプル版

 この製品はPCI Express x8インターフェイスのSSD。眩しいほどのカラーリングの本体内部には、SandForce「SF-1200」コントローラー、Intel製MLC NANDフラッシュを採用するSSDを複数枚(ラインナップにより異なる)搭載している。加えてLSI製のハードウェアRAIDカード「MEGARAID SAS 9260-4i」を備え、それらを接続することで転送速度が最大読込1400MB/s、最大書込1500MB/sというモンスタースペックを実現する。

インターフェイス

インターフェイスはPCI Express x8。別に4pinペリフェラル電源コネクタが用意されている

 ラインナップは、容量240GBの「GM3-PDLP24M」、同480GBの「GM3-PDLP48M」、同960GBの「GM3-PDLP96M」の3モデル。ドスパラ秋葉原本店によると予価はそれぞれ、14万8000円/22万6000円/37万5000円で、納期は1ヵ月~1ヵ月半とのこと。こちらもモンスター級だ。現在予約も受け付けている。
 庶民派ユーザーには手が届きそうにない、まさにセレブなSSD。買う買わないは別として、アキバに行くならまずはそのパフォーマンスをチェックするために、ドスパラ秋葉原本店まで行ってみる価値はあるかもしれない。

スペック

コントローラーにSandForce「SF-1200」/MLC NANDフラッシュにIntel製を採用するSSDを複数枚搭載。加えてLSI製のハードウェアRAIDカード「MEGARAID SAS 9260-4i」を備え、それらを接続することで転送速度が最大読込1400MB/s、最大書込1500MB/sというモンスタースペックを実現する

エイサーのホームサーバー「Aspire easyStore H342」

http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/a0a0/106896/

回は、エイサーのホームサーバー「Aspire easyStore H342」を紹介しよう。OSに家庭用サーバーに最適化された「Windows Home Server with Power Pack3」を搭載するモデルで、価格は5万9800円(メーカー希望小売価格)と手ごろ。サーバーと聞くとハードルが高いイメージを持つ人もいるかもしれなが、設定も実に簡単。これ1台で、自宅のネットワークにつながったパソコンのデータを自動でバックアップしてくれたり、写真や音楽などのファイルを複数のパソコンで共有できたり、パソコン環境がグッと便利で安心なものになる。

ホームサーバーで何ができる?

エイサーのホームサーバー「Aspire easyStore H342」

エイサーのホームサーバー「Aspire easyStore H342」。コンパクトなサイズでバックアップやファイル共有などに大活躍してくれる

撮影してパソコンに取り込んだビデオや写真、CDからリッピングした音楽ファイルといったメディアファイルは、いつの間にかパソコンの中に貯まってしまいパソコンのハードディスクを圧迫してしまう。さらに、こうしたファイルが大量に貯まってくると、保存や管理が面倒でほったらかしにしてしまいがちになってしまう。

また、パソコンのバックアップを定期的に行っている人はどれだけいるだろうか? つい面倒になってバックアップを怠っていると、いざトラブルが起きたとき、大切なデータを失ってしまうという最悪の事態にもなりかねない。

こうした問題を一気に解決してくれるのが、エイサーのホームサーバー「Aspire easyStore H342」(以下、easyStore H342)だ。これを家庭内ネットワーク(LAN)に接続してセットアップすれば、パソコンの自動バックアップ、動画、写真、音楽といったメディアファイルの保存と共有ができ、さらに保存したデータを外出先から見たり、自宅のパソコンを遠隔操作したりできる。面倒なバックアップやファイルの共有が楽にできるというわけだ。

接続イメージイラスト

すでにブロードバンドルーターを使って家庭内ネットワーク(LAN)を作っているのなら、
そこにeasyStore H342を付け加えるだけでいい。
LANにつながっているパソコン、テレビ、ゲーム機などからアクセスしてデータのバックアップや共有ができる

バックアップ機能では、保存してあるデータやファイルはもちろん、OSやインストールしてあるアプリケーションソフトまで、実行時間を指定して自動でバックアップできる。バックアップできるのは最大10台のパソコンまで。間違って消してしまった大事なファイルの復旧はもちろん、システムに不具合が生じたときの復元もできる。不具合からの復旧だけでなく、たとえばパソコンを買い換えたときのデータの引っ越しなどにも利用できて便利だ。

図版・バックアップで安心

バックアップで安心

ファイルの共有機能は、このeasyStore H342に写真や動画、音楽ファイルなどのメディアファイルを保存しておき、それをLANにつながった機器から呼び出して利用する機能だ。 easyStore H342はDLNAに対応しているので、パソコンだけでなくDLNA対応のテレビ、PS3やXboxなどのゲーム機などから、保存したメディアファイルを呼び出して視聴することができる。家の中のどこにeasyStore H342を設置しても、自室のパソコンやリビングのDLNA対応テレビ、子供の部屋にあるPS3やXboxから、easyStore H342に保存したメディアファイルを呼び出して視聴できるというわけだ。また、本体にはUSB端子があり、ここにデジタルカメラを接続して撮影した写真や動画をバックアップすることもできる。

図版・ファイルを共有する

ファイルを共有する

easyStore H342が便利なのは家の中だけではない。外出先からログインすることができるので、たとえば出先からノートパソコンでアクセスして保存してあるデータを利用したり、あるいはデータをアップロードして保存したりできる。旅行先から、撮影したばかりのデジカメ画像をアップロードして保存することだってできる。またWindows Mobile機器から、保存してある動画や音楽ファイルなどをストリーミング配信で視聴することもできるのだ。

図版・外出先からもアクセス

外出先からもアクセス

このように、家の中でも外でも便利に使えるのがeasyStore H342だ。もちろんメディアファイルに限らず仕事用のファイルの共有もできるので、SOHOの場で活躍するのも言うまでもない。

コンパクトでお買い得なのも見逃せない

easyStore H342は、CPUにデュアルコアのAtom D510(1.6GHz)を搭載した小型サーバーだ。OSには、マイクロソフトのホームサーバー向けOSである「Windows Home Server with Power Pack3」を搭載している。HDDは4台内蔵できるが、HDDトレイを引き出してセットするだけで簡単に増設できる。起動中にHDDを交換するホットスワップにも対応する。

このeasyStore H342だが、ネットワークからアクセスするパソコンの台数が増えるほど処理速度が高速化するという特徴を持つ。アクセスしたパソコンに処理を分散させることで、快適さがアップするというわけだ。

もちろん消費電力も抑えており、標準で約40W、スリープ時なら1.5W(ともにH342-S5)と常時稼動に最適な優れた省電力性能を実現している。また電源管理専用のソフトも搭載し、カレンダー上から簡単に電源をオン・オフする時間などを細かく設定できる。このソフトを使えば、より消費電力を抑えた使い方が可能なのだ。

1GBのメモリーと1TBのHDDを1台内蔵する「H342-S5」と、メモリーが2GBで1TBのHDDを2台内蔵(合計2TB)する「H342-S6」の2モデルある。メーカー希望小売価格はH342-S5で5万9800円と6万円を切る安さでコストパフォーマンスは高い。上位モデルのH342-S6でも7万4800円と価格がこなれている。

外観は、サーバーと言っても無骨な印象はなく、黒一色でシンプルかつスマートなデザインだ。サイズは高さ212×幅200×奥行き235で、だいたい一辺が20cmの立方体といったところ。リビングの片隅や、ブロードバンドルーターのそばに設置しても違和感はないだろう。

前面

前面にはUSB2.0ポートが1つ。

背面

背面にはUSB2.0ポートが4つとeSATAポートがある。サーバー機なので、外部ディスプレイ出力の端子はなく、設定などはネットワークにつながったほかのパソコンから行なう

HDDトレイ

4台のHDDを内蔵できる。HDDトレイを引き出してHDDを設置し、中に挿し込むだけで簡単に増設できる

●Aspire easyStore H342

モデル名
H342-S5
H342-S6

OS
Windows® Home Server with Power pack 3 (32bit)

CPU
Intel® Atom™ D510 (1.66GHz)

メモリー
1GB
2GB

ハードディスク
1TB
1TB×2

サイズ
高さ212×幅200×奥行き235

メーカー希望
小売価格
5万9800円
7万4800円

実際に使ってみた! これは簡単で便利だ

セットアップは簡単だ。電源ケーブルを接続し、次にネットワークケーブル(LANケーブル)で家庭内ネットワークに接続する。そして電源を入れたら、LAN上のパソコンにソフトをインストールする。あとはホームサーバーの初期設定を行うだけだ。付属マニュアルの手順通りに行うだけで特に戸惑うことはなかった。ちなみに、接続できるパソコンはWindows XP/Vista/7搭載パソコンだ。

コンピューター上で認識

LANに接続すると、たとえばWindows 7の「コンピューター」に表示されるようになる

インストール1

インストール2

LAN上のパソコンに付属CD-ROMをセットして、そこからソフトをインストールする。
ユーザー名やパスワードなどの初期設定も行う

タスクトレイにアイコン

ソフトのインストールが完了すると、タスクトレイにアイコンが表示されるので、これを開く

コンソール

コンソールが表示される。バックアップやリモートアクセスなどの設定はここから行う

バックアップの設定

バックアップの設定は簡単だ。
バックアップするフォルダーやスケジュールを設定するだけ

実際に共有フォルダを使ってデータを共有したり、デジタルメディアサーバー機能を使って、パソコンのWindows Media PlayerやPS3でメディアファイルを再生してみた。するとこれが実に快適なことが分かった。たとえば、自室のパソコンからeasyStore H342に動画データを保存しておき、リビングにあるDLNA対応テレビでそれを楽しめる。わざわざパソコンの前に行かなくても楽しめるという便利さはもちろん、テレビの大画面と内蔵スピーカで楽しむと、パソコンで見ていたときとは迫力が段違いだ。

仕事用ファイルの共有も便利だ。たとえば仕事で書類を作成するとき、その原稿ファイルはもちろん、資料の画像ファイルやPDFファイル、エクセルのファイルなどもeasyStore H342に保存しておく。すると、リビングでノートパソコンを広げてそこからeasyStore H342にアクセスし、作成中の原稿と資料を呼び出して仕事ができる。自室のデスクトップパソコンに縛られずに家の中のどこでも作業できるが快適だ。 SOHO規模のオフィスなら、数人でこうした資料を共有しながら作業をすれば仕事の効率もグっと上がるだろう。「Aspire easyStore H342」は低価格でコンパクトだが、家庭でもSOHOでも役立ってくれる、とても便利なホームサーバーだ。

デスクトップのアイコン

デスクトップ上にできるアイコンを開く

サーバーのフォルダー一覧

easyStore H342にある共有フォルダが開く。
ここにファイルを保存すれば、LAN上のほかのパソコンからアクセスして利用できるようになる

写真共有フォルダー

たとえば写真フォルダーにデジカメ写真を保存しておけば、それを共有できる。
もちろん写真だけでなく動画や音楽ファイル、エクセルなどの一般のファイルも共有できる

ストリーミング

Windows Media Playerからストリーミングで音楽や動画を再生して楽しむことができる

マニア心をくすぐる「HP MicroServer」を試す【リモート管理カード編】

山本 雅史さんの原稿転記

http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/20101020_401023.html

ここまで、日本HPの小型サーバー「HP ProLiant MicroServer」の基本的なハードウェアと、その性能について簡単に紹介してきた。最終回は、MicroServerのリモート管理カードの機能を紹介していく。

■BIOSの操作や仮想メディア機能も備えたリモート管理カード

MicroServer

 MicroServerには、オプションでリモート管理カード(8400円)が用意されている。HPのProLiantサーバーには、 iLO(integrated Lights-Out)というリモート管理機能が用意されているが、MicroServerのリモート管理カードは、これを使用しているわけではない。ただ、iLOと同じような機能が提供されている。

 例えば、MicroServerの電源がOFFになっていても、リモート管理カードをインストールしていれば、リモートPCから簡単に、MicroServerの電源をONにすることができる。

 もちろん、iLOと同じように、MicroServerの画面をリモートPCに表示し、PCのキーボードやマウスをそのままMicroServerの入力として利用することができる。OSの画面だけでなく、BIOSの操作もリモートから行える(仮想KVM機能)。

 もう1つ重要なのは、リモート管理カードには、仮想CD/DVD/FD機能(仮想メディア機能)が用意されている点だ。このため、 MicroServerにCD/DVDドライブがなくても、仮想CD/DVD機能を使って、リモートPCにあるISOイメージをネットワークでマウントし、そこからOSをインストールすることができる。これなら、MicroServerにCD/DVDドライブを増設しなくてもいい。

 リモートからMicroServerを操作/管理できるため、電源とネットワークさえ用意できれば、本棚に置いてもOKだ。

■リモート管理カードのインストール

MicroServerのリモート管理カード。(1)がPCI Express x1、(2)が内部接続のVGAインターフェス

MicroServerのマザーボードにリモート管理カードを挿したところ。リモート管理カードのインストールには、MicroServerからマザーボードを引き出して、カードを挿してから、再度本体ケースに入れる。この際、事前に本体ケースの後ろのカードカバーを抜いておく必要がある。また、カードが少し傾いていると、後ろのパネルにきちんとはまらないこともあるから注意が必要だ

 MicroServerのリモート管理カードは、PCI Express x1のスロットにインストールするようになっている。ただし、リモート管理カードは、PCI Express x1コネクタ以外に、もう1つコネクタを使用する。このインターフェイスは、ディスプレイ出力をリモート管理カード側のディスプレイ出力端子に切り替えるために使われている。

 リモート管理カードをインストールすると、MicroServer本体のディスプレイ出力端子からは、モニター信号は出力されない。リモート管理カード側のディスプレイ出力端子に切り替わる。このため、リモート管理カードをインストールしたときには、ディスプレイケーブルは、リモート管理カード側の端子に接続し直す必要がある。

 また、リモート管理カードのネットワークは、管理用ネットワークとして使われるため、ファイルアクセスなどには、MicroServer 本体のネットワーク端子も利用することになる。つまり、リモート管理カードをインストールしたMicroServerは、管理用と本体用の2本のネットワークを使用することになる(リモート管理カードのネットワークは100BASE-TX/10BASE-T)。

 リモート管理カードを使って気になったのは、ディスプレイ機能だ。MicroServerは、AMD785Eを使用しているため、AMD Radeon HD4200相当のグラフィックチップを内蔵している。このため、ディスプレイドライバをインストールすれば、フルHD(1980×1080)のモニターなども利用できた。

 しかし、リモート管理カードをインストールすると、ディスプレイは標準VGA(最大1280×1024)に切り替わってしまう。このため、AMD785EのGPUは使用できない状態になる。どうやらこれは、リモートのPCでMicroServerの画面を表示するためのようだ。

 もし、リモート管理カードを使うなら、MicroServerのGPUが利用できなくなることを理解しておく必要があるだろう。


本体の後ろにある、カードカバーを外すには、本体のフロントパネルにある付いている専用のネジ回しを使って行う
リモート管理カードには、管理ネットワーク用の100BASE-TX/10BASE-T NICとディスプレイ出力端子が用意されている

■リモート管理カードにアクセスする

リモート管理カードのIPアドレスは、BIOSのIPMI Configuration→Set LAN Configurationで設定できる。今回は、DHCPから配布されたIPアドレスを使っている

 リモート管理カードを使うには、リモート管理のNICにきちんとIPアドレスを設定する必要がある。この設定は、BIOSのIPMI Configuration→Set LAN ConfigurationでIPアドレスで行える。

 リモートPCからMicroServerにアクセスするには、Webブラウザでリモート管理カードのIPアドレスを入力すればOKだ。

 リモート管理機能を使うには、リモート管理のトップ画面で、ユーザーIDとパスワードを入力してログオンする必要がある。デフォルトのユーザーIDとパスワードは、メンテナンス&サービス ガイドの中に書かれている。ちなみに、送付されたリモート管理カードのパッケージには、マニュアルなどはなく、カード本体だけしか入っていなかった。できれば、HPのサイトからリモート管理カードのマニュアルなどをダウンロードできるようにしてほしかった(デフォルトのユーザーIDとパスワードを探すのに時間がかかった)。

 ログオン後は、必ずデフォルトのIDとパスワードを変更しておく必要がある。もし、MicroServerをオフィスで使っている場合は、デフォルトのIDとパスワードでは、セキュリティホールとなってしまう。リモート管理カードのサイトのConfiguration→Usersで、デフォルトのユーザーのパスワードを変更するか、新しくAdministrator権限のユーザーアカウントを作成した方がいいだろう。

 また、リモート管理カードのサイトから、MicroServerの温度やファンスピードなどをチェックすることができる。さらに、MicroServerにトラブルが起きたときには、登録してあるメールアドレスにアラートメールを送信する機能も用意されている。


ブラウザでリモート管理カードのIPアドレスを入力すれば、リモート管理カードのログオン画面が表示される。ここで、IDとパスワードを入力。デフォルトのIDは、admin。パスワードは、メンテナンス&サービス マニュアルを確認してほしい。
リモート管理カードのサイトのトップ画面。


MicroServerの管理用ネットワークのIPアドレスなども変更できる
Configuration→Usersで新しい管理者権限のユーザーが作成できる。セキュリティ面から、デフォルトのadminは、パスワードを変更しておく方がべきだ。できれば、adminアカウントは、Disabledにして、新しい管理者を作成する方がいい


リモート管理カードを使えば、MicroServerのファンスピードや正常に動作しているのかなどをチェックすることができる。もし、ファンが止まったら、アラートが表示される
MicroServer本体各所に温度センサーが用意されている。リモート管理カードでは、本体内部の熱をチェックすることも可能

■仮想KVM機能と仮想メディア機能を試す

 リモート管理カードの最大の特徴は、仮想KVM機能と仮想メディア機能だ。

 仮想KVM機能を使えば、リモートPCからMicroServerにアクセスして、画面表示やキーボード/マウス入力をリモートPCで代用することができる。これなら、MicroServerが別の場所にあっても、ネットワークさえ接続していれば、リモートでコントロールすることができる。

 MicroServerの電源ケーブルさえ接続されていれば、MicroServerが電源OFFになっていても、リモートからコントロールできる。これは、リモート管理カードは、本体に電源ケーブルが挿入されていれば、常に動作しているからだ。このため、リモートPCから、電源ONにしたり、リセットをしたり、BIOS設定の変更を行ったりすることもできる。これなら、MicroServerを本棚の上に置いて、モニターやキーボード /マウスなどを接続しなくてもOK。ネットワークと電源さえ、接続されていればいい。

 リモート接続では、MicroServerのGPU機能は使えないが、ネットワークに接続していれば、どこからでも簡単に操作できるという大きなメリットがある。もちろん、OSの画面も仮想KVMで表示されるため、サーバーとしての操作なら仮想KVMで十分だ。


リモート管理カードを使えば、リモートからMicroServerに対してリセット信号を送ることもできる
MicroServerの電源がOFFでも、リモート管理カードを使って電源ONにすることもできる

 実際には、仮想KVMを利用するには、リモート管理カードのサイトからvKVM&vMediaを選択する。KVM Launchというボタンをクリックすると、Javaで作られた仮想KVMプログラムが起動し、MicroServerの画面が表示される。画面の表示スピードとしては、満足行くスピードだ。これなら、リモート環境で操作していて、画面表示が遅くてイライラすることもないだろう。

 Windows OSのログオン画面では、Ctrl+Alt+Delキーを押す必要がある。vKVMで直接このキーを入力できないため、vKVM画面のMacrosメニューにCtrl+Alt+Delキーが登録されている。このキーをメニューから選択すれば、MicroServerに入力できる。


仮想KVMを使うには、vKVM&vMediaから、Launch LVM Mediaボタンを押す
するとJavaアプレットがMicroServerからリモートPCに送られて、KVMが起動する


仮想KVMは、BIOS設定などもリモートPCから行える
もちろん、MicroServerを起動した直後の画面も仮想KVMで確認できる


仮想KVMで、Windows OSのログオン画面が表示されたときは、メニューのMacrosからCtrl+Alt+Delキーを入力して、ログオン画面を表示する
画面は標準VGAだが、仮想KVMできちんとWindowsのデスクトップが表示され、操作ができる

仮想メディア(vMedia)を起動すると、ISOファイルをマウントするか、といった操作画面が出てくる

 もう1つの仮想メディア機能は、Virtual Media ConfigurationのLaunch VM Viewerボタンをクリックする。Launch VM Viewerで、リモートPCのHDDにあるISOイメージをマウントすれば、MicroServerにCD/DVDドライブがなくても、仮想化された CD/DVDドライブとして利用できる。

 仮想CD/DVDドライブは、リモート管理カードの機能なので、Windows OSなどが起動していなくても、OSを最初にインストールするところから利用することができる。つまり、リモート管理カードがあれば、 MicroServerにCD/DVDドライブがなくても、OSのインストールが行える。

■MicroServerは使えるサーバー

 実際にMicroServerを使ってみて思ったのは、低価格だが、ビジネスでも、家庭でも使えるサーバーだ。CPUの性能を考えれば、データベースやアプリケーションサーバーとしてはパフォーマンス不足だ。しかし、部門のファイルサーバーなどとしては、十分な性能を持っている。また、リモート管理カードを使えば、支社や支店のブランチサーバーとして、本社から簡単に管理することができる。

 また、価格を考えれば、個人がホームサーバーとして利用するにも、ぴったりだ。簡単にHDDを増設できるため、家庭用のNASとして利用するのもいい。ハードウェアとしての拡張性は、それほどないが、いろいろなOSを入れて使うには、遊べるサーバーといえるだろう。大きさもコンパクトだし、静かなので、家庭で使っても、邪魔にならない。

 何よりも、自作PCを流用したサーバーに比べると、さすがHPのProLiantだけあって、作りがしっかりしている。小さいながらも、サーバーとして冷却に注意したり、静音性に力を入れたりしている。

消費電力のグラフ

 最後に、MicroServerの消費電力を測ってみた。メモリ2GB、HDD160GB、CD/DVDドライブ、リモート管理カード付きという環境で、前回テストしたPassMarkのベンチマークソフトPerfomance Testを起動して、終了するまでの消費電力を計測してみた。

 最大33W、最低3Wとなっている。今回テストした環境では、リモート管理カードが常に動作しているため、電源OFFの状態でも3Wほど消費している。今回のテストでは、HDDが1台だけしか入っていないため、HDDを増設するともう少し電力を消費することになるだろう。

関連情報

■ URL

製品情報

http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/micro/

日本ヒューレット・パッカード株式会社

http://www.hp.com/jp/

マニア心をくすぐる「HP MicroServer」を試す【OSインストール&ベンチマーク編】

 日本HPが提供している小型サーバーの「HP ProLiant MicroServer」(以下、MicroServer)は、マニア心をくすぐるサーバーだ。前回は、MicroServerのハードウェアスペックなどを紹介した。今回は、実際にMicroServerにOSをインストールして触ってみた感触や、いくつかのベンチマーク結果を紹介する。

■ECCなしのメモリを試す

 MicroServerは、メモリが1GB、HDDが160GBという標準構成しか販売されていない。さすがに、メモリ1GBで Windows Server 2008 R2を動かすには、心もとない。そこで、手持ちのメモリに入れ替えようと思ったのだが、あいにくとECC付きは余分がない。

 そこで、Athlon II NEO N36Lのスペックを見ると、ECCなしのDDR3メモリでも動作するようだったので、手持ちの2GBメモリに入れ替えて、メモリテストの MemTest86+を10時間ほど動かしてみた。結果としては、エラーはまったく起こらなかった。

 ただし、サーバーでの運用ということを考えれば、ECC付きのDDR3メモリを利用した方がいいし、日本HPのサポートもないが、ひとまず、手元にあるMicroServerで、ECCなしで動作したことはご報告しておく。


CPU-Zで、MicroServerの CPU Athlon II NEO N36Lをチェックしてみた。プロセッサ名は表示されていないが、SpecificationにはAthlon II NEO N36Lと表示されている。コアのクロック数が799.5MHzとなっているが、これはAMDの省電力機能 Cool’n’Quietを使用しているため。CPU負荷が低い場合は、自動的に動作クロックを下げる。Athlon II NEO N36LはCPUコアを2つ持っている。L2キャッシュは1MB×2で、トータル2MBとなる
今回は、MicroServerにECCなしのDDR3メモリを使って、いくつかのベンチマークを行ったが、動作自体はまったく問題なかった。ただし、日本HPのサポート外である点には注意

■一手間かかるOSのインストール準備

 さて、今回は、Windows Server 2008 R2をインストールしてみた。MicroServerには、Easy Set-up CDのようなドライバ/ユーティリティのメディアは添付されていないため、Webサイトから入手することになる。

 MicroServerには、パソコンのようなマニュアルが付いているわけではない。また、ドライバなどのCD/DVDも添付していない。必要なユーザーは、HPのサイトからダウンロードする必要がある。マニュアルに関しては、インストレーションガイドユーザーガイド構成図が日本語ドキュメントとして提供されている。これ以外に、英語だが、参考になるのがメンテナンス&サービス ガイドだ。

 さて、前述したようにドライバも添付されていないため、ユーザーが自ら用意する必要がある。日本HPのWebサイトにも、Windows Server 2008 R2用のドライバが用意されている。ただし、Languageを「日本語」にすると、チップセット用のドライバなどがリストアップされないので、 Languageは「英語(International)」にする必要があった(ダウンロードはこちら)。

 しかも、AMDのチップセットなどのドライバをダウンロードする場合、HPサイトから直接ダウンロードすることができなかった。最終的には、AMDのサイトを案内され、AMD785EとSB820MのWindows Server 2008 R2用のドライバをダウンロードする。



HPのサイトからドライバをダウンロードする。テストを行った10月18日現在、日本語サイトからは、ドライバのリストがうまく表示されないため、今回は米国のサイトから行った
現在、提供されているのは、チップセットのドライバとストレージのユーティリティ、ネットワークカードのドライバなど
チップセットのドライバーやストレージのユーティリティをダウンロードする。ボタンをクリックすると、このようなテキストが表示されてしまう。若干、サイトの構築に問題があるようだが、 http://wwwd.amd.com/AMD/SReleaseF.nsf/HPSW?openformというURLが表示されている。このURLを入力して、AMDサイトからダウンロードする

 不思議なのは、HPのサイトに掲載されているURLを直接入力しても、アクセスができなかったこと。どうやら、HPのサイトにいったんアクセスしておかないと、チップセット用のドライバが置かれているページには、アクセスできないようだ。また、AMDのWebサイトのトップページからは、このドライバーが置かれているページにたどり着くことはできなかった。通常、AMDのWebサイトには、Windows 7/VistaなどのクライアントOS用のドライバしか用意されていない。どうも、HPのMicroServer用に、特別にWindows Server 2008(32ビット/64ビット)、Windows Server 2008 R2(64ビット)のドライバを用意しているようだ。

 AMDのサイトでダウンロードするドライバは、AMD RS785EとSB820M用のドライバ、RAID管理を行うRaidXpertというソフトだ。ちなみに、これらのドライバは日本語環境にも対応しているため、日本語版のWindows Server 2008 R2にインストールしても問題ない。

 Windows Server 2008 R2をインストール後に、AMD RS785EとSB820M用のドライバーをインストールすれば、チップセット用のドライバ、グラフィックドライバ、HDD用のドライバなどがインストールされる。MicroServerのパフォーマンスを生かすためには、AMDのドライバをインストールした方がいい。


Windows Server 2008の32ビット/64ビット、Windows Server 2008 R2(64ビット)用のチップセットドライバが用意されている。RaidXpertは、RAID用のユーティリティソフト
AMDのURLを入力しても、ドライバが表示されない。いったん、HPサイトを表示してからでないとダメなようだ。また、AMDのWebサイトから、このページには到達できないようだ

 グラフィックドライバがインストールされるため、1920×1080などのフルHDの解像度でWindows Server 2008 R2が利用できる。また、このドライバは、DirectX 10.1に対応しているため、DirectXを使用するIE 9を動かすこともできる。



Windows Server 2008 R2をインストール直後のデバイスマネージャ。ディスプレイは標準VGA、NICはBroadcom NetXtremeがインストールされている
AMDのチップセット ドライバをインストール
チップセットとNICのドライバーをインストールすると、ディスプレイはHD4200、NICはHP Insight NC107iに変わっている。これで、MicroServerを最大限に生かすことができる

■ベンチマークの結果は?

比較したAthlon II X2 250は、クロック周波数3.0GHzで、L2キャッシュはAthlon II NEO N36Lと同じくトータル2MB。Athlon II NEO N36Lの方が、コア電圧が低くなっている分、省電力化されている

 今回は、ハードウェアの性能を測るため、PassmarkのPerformance Testと、HDDのパフォーマンスを測るCrystalDiskMarkを用いた。CrystalDiskMarkでは、MicroServerで公開した共有フォルダをネットワーク越しにドライブレターにマウントして、パフォーマンスを測った。

 参考として、手持ちのAthlon II X2 250(3.0GHz)を使ったデスクトップPCのデータも掲載しておく。CPU、メモリ、チップセット、HDDのメーカーも異なるため、 MicroServerと厳密に比較することはできないが、参考として動かしてみた。

マイクロサーバー
デスクトップ

マザーボード

ASUS M4A785TD-M EVO

チップセット
RS785E+SB820M
AMD785G+SB710

プロセッサ
Athlon II NEO N36L(1.3GHz)
Athlon II X2 250(3.0GHz)

メモリ
DDR3 800MHz 2GB
DDR3 1066MHz 4GB

HDD
SATA 7200rpm 160GB
HSGT HDP725050GLA360

グラフィック
785E内蔵グラフィック(HD4200相当)
785G内蔵グラフィック(HD4200相当)

PassMarkの Performance Testの結果。CPUのベンチマークは、デスクトップのAthlon II X2 250がずばぬけて高い。また、メモリのベンチもDDR3 1066をフルに生かしきるデスクトップの方が高かった。ディスクアクセスやグラフィックは両者ともほとんど変わらない

 Performance TestのCPU Markを見ると、さすがに3.0GHzで動作するAthlon II X2 250は、1.3GHzのAthlon II NEO N36Lに比べると高いパフォーマンスを示している。Athlon II NEO N36Lは、1.3GHzでの動作を考えれば、それなりのパフォーマンスだろう。ただ、Athlon II X2 250のTDPが65Wで、15WのAthlon II NEO N36Lは、省電力という面で見れば非常に優れている。

 Memory Markに関しては、Athlon II X2 250が4GB(2GB×2)をDDR3 1333で動作していることと、デュアルチャンネルで動かしているため、これだけ高いパフォーマンスを示している。一方MicroServerは、 DDR3 1333をクロック数を落として、800MHzで動作させている。これにより、メモリも省電力化されている。

 グラフィックに関しては、両方ともATI Radeon HD4200相当とほとんど同じグラフィックコアが採用されているため、あまり差は出なかった。

 HDDは、使用しているHDDの機種が異なるが、ベンチマークとしてはあまり差は出なかった。

 面白いのがCrystalDiskMarkのベンチだ。ネットワーク越しに、それぞれの共有フォルダをドライブとしてマウントし、ベンチマークを行った。ハードウェアとしてMicroServerの方が非力だが、CrystalDiskMarkではMicroServerの方が上回った。

 ローカルで動かすPerformance Testでは、HDDのベンチマークとしては差が出なかったので、これはネットワークチップの差かもしれない。デスクトップPCはRealtekのネットワークチップを使っているが、MicroServerではサーバー用のネットワークチップが使われている。このあたりは、MicroServerと比較するPCのハードウェアスペックをそろえて分析してみないとわからないが、MicroServerでは、さすがにサーバー向けのチップを使っているだけの効果はある、ということだろう。


CyrstalDiskMarkの結果。MicroServerの方が、ネットワーク越しのディスクアクセスが高いパフォーマンスを示している
MicroServer側のCrystalDiskMarkのベンチマーク結果

 ベンチマークを分析してみて、MicroServerはCPUは非力だが、データベースなどを動かさないファイルサーバーとしての用途なら、十分なパフォーマンスがあると感じた。HDDが4台搭載できるため、ファイルサーバーとしては十分な容量を用意することができる。

 CPUやチップセットなど、多くのパーツはモバイル用が使われており、サーバーといえども、大幅な省電力化が果たされている。例えば、24時間動かすActive Directoryサーバーなどにはぴったりかもしれない。

 ともかく、HP MicroServerは、企業ユーザーにとっては24時間365日動かす省電力サーバーとして、個人ユーザーにとっては遊べるサーバーといえるだろう。

■現状ではサポート外も、「Aurora」での利用に向くか?

 MicroServerは、マイクロソフトがリリースを予定している25ユーザーまでのサーバーOS「Windows Small Business Server」(開発コード名:Aurora)がぴったりかもしれない。

 Auroraは、次世代Window Home Server(WHS)をベースにして、Active Directoryなどの機能がサポートされている(最大25人まで)。

 また、WHSのドライブ エクステンダー機能を使って、追加したHDDを統合して1台のドライブとして扱うことができるし、RAIDとは異なる方法で、データを複数のHDDに二重化して保存し、信頼性をアップしている。これなら、必要に応じて、HDDを追加することができる。ドライブ エクステンダー機能なら、RAIDのように、OSのインストール時に構成を決める必要もない。

 もう1つ便利なのは、クライアントPCにAurora用の専用アクセスソフトをインストールすることで、クライアントPCのディスクをサーバーにバックアップすることもできる。この機能を使えば、もしPCが壊れても、サーバーにデータがバックアップしてあるので、簡単に元に戻すことができる。

 さらに、電子メールサーバー(Exchange Server)や文書共有サーバー(SharePoint Server)などは、クラウドサービスのマイクロソフト オンラインを利用する。このため、非力なサーバーでも、電子メールや文書共有などのサービスを提供することが可能だ。

 また、サーバーにActive Directory(AD)が用意されているため、マイクロソフト オンラインもADと連携している。このため、ローカルのファイルサーバーもマイクロソフト オンラインもADのアカウント1つで利用できる。

 なお、残念ながら、MicroServerでは現状、Auroraが必要とするスペックを満たしていない。しかし、製品版が登場した場合には、このあたりが変わっている可能性はあるし、少ない台数のバックアップ用途ぐらいであれば、対応できるのではないだろうか。また、製品版が提供されるようになったら、クラウド Watchでも、このあたりをリポートする予定だ。

■ディスクマウンタは4つ付属、センサー利用にはリモートアクセスカードが必要

ディスクマウンタ(右)は、標準で4つ付属する

 1回目の記事を掲載して、読者からいくつか質問をいただいた。今回は最後に、その回答と、いくつかの追加情報をお伝えする。

 MicroServerのHDDは、ディスクマウンタにはめて使用すると前回の記事でお伝えしたが、そのディスクマウンタは、本体内部に4つ搭載されている。このため、ユーザーが新たにディスクマウンタを購入する必要はない。

 ただし、日本HPでは、ディスクマウンタ自体の販売は行っていないので、ディスク交換を簡単にしようと思っても、追加でディスクマウンタを購入することはできない。もし破損した場合は、修理という形になる。

 2.5インチのSSDなどを利用するには、MicroServerのディスクマウンタに3.5インチ/2.5インチマウンタを使用すれば使えそうな気がする。ただ、金属のフレームを左右に付けるタイプでは、若干不安定になるかもしれない。3.5インチケースのようなマウンタにSSDを取り付ける方がいいだろうが、あいにくと手持ちに試せるようなものがなかったので、問題ないとは言い切れない。もちろん、SSDに交換した場合は、HPの保証の範囲外になる点にも注意が必要だ。

 製品に付属しているCD/DVDドライブについても、問い合わせをいただいた。この奥行きは17cmで、CD/DVDドライブは奥行きに関してはいくつかサイズがあるが、あまり奥行きが長いとケーブルの配線が面倒になるかもしれない。ちなみに、CD/DVDドライブはSATA接続となる。 PATA接続のCD/DVDドライブは、そのままでは使えない。

 MicroServer自体には、いくつかの温度センサーやファンセンサーが用意されているが、MicroServer用にセンサーの情報を取得するアプリケーションは、バンドルされていない。オプションのリモートアクセスカードを接続すれば、リモートのクライアントPCから、ブラウザ経由で各センサーの情報を確認することはできた。

 なお、前回の記事に書き忘れたが、MicroServerにはキーボード、マウスは添付されていない。また、キーボード/マウスの接続は、USBポートのみとなる(PS2キーボード/マウスは使用できない)。

 MicroServerは、購入時から1年間のパーツ保証と翌営業日オンサイトサービスが付いている。ただし、より手厚いオンサイトサービスを受けたい場合は、追加でオンサイトサービスのHP Care Packを契約する必要がある。翌日対応を最長5年まで延長する(3万4000円)、4時間対応で365日対応を最長5年(8万3000円)、などのメニューがある。

 次回は、リモートアクセスカードの機能などについて紹介する